ブース内が暗い。そんな悩みを解決するブース内を明るくする方法は?
展示会ブースの内部を明るくするためには?
基本10項目の章でも記載しましたが、ここでもブース内を明るくする方法について、改めて記載しておきましょう。当社がデザインするブースは大抵の場合、会場で一番、というほど明るくなっています。当社を知る同業の方やお客様は「ペンギンさん、今回あのブースをデザインされたんですよね」と言われます。当社をご存じの方は、ブースを見ただけで「スーパーペンギンのデザイン」と分かるようです。見ただけで分かるそのポイントの一つが今回ご説明する「明るさ」なのだと思います。さて、当社のセミナーをお聞きいただいた方や、当社に初めてご依頼いただいたお客様の多くが、「これまでのブースが暗くて・・」「いろいろ試したけど明るくならない」といったことを言われています。本ページでは、どのようにすればブース内が明るくなるのか、そのポイントをお伝えしていきたいと思います。
- 明るい照明器具を選択する
- 照明器具の「取り付け位置」を工夫する
- 光を当てる位置を工夫する
01|「明るい照明器具」を選択する
値段の安い照明器具は、力の弱い照明器具。値段が高く手も「力の強い照明器具」を使用する
→POINT1:展示会ブースの照明器具は基本的にレンタル
→POINT2:力の強い照明器具は値段が高いが少ない灯数で済む
ブース内を明るくする方法として、「明るい照明器具」を使う、という回答は「当たり前ではないか」と思われるかと思いますが、実際にその通りです。大切なことは、どんな照明器具があって、どんなものを選べばいいのか、という点。ここでは、このことについてお話しましょう。ます、展示会業界において、照明器具は基本的に「レンタル」対応となります。展示会の電気工事を行う会社が持っている照明器具の中から選ぶ、といった形をとります。ですので、展示会業界では、照明器具の種類はあまり多くありません。時々建築、インテリアデザインに関わる人が「ピンスポットの・・・」などといった特殊な照明器具を要望されることがあるのですが、大抵の場合、展示会の電気工事会社は持っておらず、特殊な(建築の世界では当たり前のものでも)照明器具だと、「出展者さん自身で器具を購入してください」といった返答が返ってきます。つまり、展示会ブースでは、照明器具の選択の幅はあまり多くないのです。当社が通常使用する照明器具は「LED投光器」というもので、1灯当たり10,000円前後してきます。一般的に展示会の事務局のパッケージに付属している照明器具は1灯当たり3000円から5000円、といったものになりますが、この場合LED投光器よりも安くはなりますが、その分力の弱い照明器具になってしまいます。自社のブースが暗い、と悩んでいる出展社の皆様、まずは自社がこれまで使用してきた照明器具を見直しましょう。そして、「LED投光器」といったように、1灯当たりの値段が高くても「力の強い(光の強い)照明器具」を用いることがお勧めです。
壁面から離れた位置に照明器具を設置する
展示会ブースを明るくするためには、奥の壁の上に照明器具を設置するのではなく、壁から離れた位置に照明器具を設置し、奥の壁全体を明るくするように照らすことがポイントです。写真は、手間の梁(パラペット・ボーダー)の裏に照明器具をつけて奥の壁を照らすようにしています。この場合に使用している照明器具はLED投光器。ただ、この器具でも奥行き3mも離れていれば、奥の壁は若干暗くなってしまいます。できれば、壁から1m~1.5mほど離れた位置に照明取り付け用の梁があって、1.5m位離れた場所から壁面を照らすことが最良です。是非試してみてください。
02|照明器具の取り付け位置を工夫する
壁の上につけて真下を照らすのではなく、壁から離した位置に取り付ける
→POINT1:多くの設営会社は、照明を取り付ける位置が間違っている
→POINT2:壁から離した位置に照明器具を取り付ける
当社が使用している照明器具と同じ器具を使っている。にも拘わらず暗い、という出展社の方も中にはいらっしゃるかもしれません。そのような時の原因としては2つが考えられます。まず1つ目は、そもそも灯数が少ない、という問題。1灯1灯が力の強い照明器具であっても、取り付けている数が少なければ当然ブース内が暗くなってしまいます。この場合、まずは灯数を増やす必要があります。とは言え、1灯増やすたびに、10,000円前後の費用が掛かってきますので、どうしても決断には勇気が必要、となるかもしれません。ちなみに当社のブースの場合、1小間(3m×3m)の場合、LED投光器を3灯~4灯取り付けることが一般的です。2小間(6m×3m)の場合、8灯~10灯、といったところでしょうか。一般的な設営会社からみれば「多すぎるのでは・・」と思われるかもしれません。ですが、どの場所にどう当てて、といったことを検討すると、この程度の数になるのです。当然照明器具に費やす費用も高くなってきます。しかし、ブースの印象とそれがもたらす集客の効果を考えた場合、他のものに費やす費用を削ってでも明るさを出すことを優先させる方が集客的には有利となるのです。さて、では同じ器具を使ってもブース内が暗くなってしまう原因その2は、「照明の取り付け位置が間違っていること」です。「基本10項目」のページでも説明しましたが、ブース内を明るくするためには、壁の上に照明器具を取り付けて真下を照らすより、壁から離れた場所に照明器具を取り付けて、「壁を狙って明るくする」ことが重要です。つまり、壁面から離れた位置から壁面を照らすことで、壁全体が明るくなるのです。「暗い」と感じるブースのほとんどは、この「照明を取り付ける位置」が間違っていることが原因になっています。
03|光を当てる位置を工夫する
床でもなく、展示台でもなく、「壁」に向かって光を当てる
→POINT1:壁の上部に影を作らないように光を当てる
→POINT2:商品を見る方向と同じ方向から光を当てる
照明の位置を工夫する必要があることは理解できた。しかし、具体的に「どこを照らせばいいのか分からない」。このように悩む出展社の方もいるかもしれません。ここで、ブース内のどこを照らせばブース内が明るくなるのかをお伝えしましょう。まず、ブース内を明るくするためには、「壁面全体を明るくする」ということを前項でお伝えしました。当社の場合、壁面を照らす場合には、壁面の上部、特に上半分、高さ2.7mのぎりぎりの高さまで明るくなるように照明の角度を調整します。 大抵の場合、壁面の下部分には展示台があり、その展示台に向けて照明を照らす、ということをする方がほとんどだと思います。もちろん、インテリアデザインの世界で使われる力の強いスポットライトなどであればそれでもいいのですが、展示会の世界では、そのような器具は基本的なレンタルの中には含まれていません。展示会で使用する照明器具で展示台を狙った場合、展示台の上は「なんとなく明るい」程度となり、一方で壁面上部には光が当たらず、結果としてブース内は暗い印象になってしまうのです。そこで、ブースの壁面全体を明るくすること、特に壁面の最上部まで暗い部分を作らないことがブース内を明るく感じさせるために重要なことになるのです。そして、もう1点、光の当て方で知っておいてほしい知識は、商品に光が当たる場合、その商品に当てる光は、自分、もしくは来場者が見る方向と同じ方向から当てる必要がある、という点です。商品に対して、自分が見る方向と別の方向から光を当てた場合、角度によっては逆光になってしまい、商品が暗く見えなくなってしまうことがあります。このことにも注意をしておいてください。
展示会ブースの集客手法を網羅した初の著書、発売中
展示会のブースはどう作ればいいのか。いつから準備をすればいいのか。費用はどのくらい掛かるのか、といった基本的なところから、どのようにブースを作れば、来場者が集客できるのか、その具体的なブースのつくり方、レイアウトの手法等、ブースデザインの考え方、商品陳列のポイントから当日の立ち位置まで、計528ページに渡って当社のノウハウを記した初の書籍が完成しました。全5部、計14のチャプターで構成されています。本書に記載されている内容は、当社代表の竹村が日頃セミナーでお伝えしているものであり、これまでの当社でのブースでの成功事例を基に積み上げていた独自のノウハウです。是非、ご一読ください。下記の詳細ボタンよりAmazonの解説サイトに移動します。また、実店舗では、全国の丸善・ジュンク堂、青山ブックセンター本店、代官山蔦屋書店、銀座蔦屋書店等に置かれています。電子書籍版・試し読み有。
PART-1/出展結果を出す思考法
PART-2/ブースデザインの手法
PART-3/PENGUIN METHODの応用
PART-4/これからの展示会業界を考える
PART-5/展示会の「商空間」への応用